
AI時代のWeb制作でクリエイティブツールを選び、活かす方法を発注者向けに解説。Figma・ChatGPTの画像生成機能・Claude Codeなど用途別の選び方のほか、ツール選定の4軸、進め方3ステップ、内製・外注の判断基準まで一気通貫でご紹介します。
次のような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
この記事では、AIクリエイティブツールの概要から用途別の選び方、発注者が押さえたいツール選定の軸、制作の進め方と失敗ポイント、内製・外注の判断基準まで一気通貫で解説します。発注者がクリエイティブツールの全機能を使いこなす必要はありません。「どのツールでどう作られているか」を把握しておくと、見積もりの妥当性を判断したり、制作会社との要件のすり合わせがスムーズになったりと、発注後のトラブルを防ぐことにつながります。
クリエイティブツールとは、デザイン・画像生成・サイト構築などの制作工程をAIで補助するソフトウェア・サービスの総称です。近年の生成AI(文章や画像を自動生成するAI)の普及を背景に、Web制作の現場での採用が急速に広がっています。
生成AIの普及により、Web制作の工程は「専門家が直列でこなすフロー」から「プロトタイプ生成・画像生成・コードの自動補完が並列で進む高速フロー」へと変化しています。かつてデザイン→コーディング→テストを別々の専門家が直列でこなしていた構造が大きく変わり、特に初期フェーズの制作スピードが上がっています。
一方で、AIが生成するデザインが均一化しやすいという指摘も見られます。同じツールに同じプロンプトを入れれば誰でもそれなりのデザインが出せる状況になった結果、デザイン品質そのものでの差別化が難しくなりつつあります。「設計の上流で何を決めるか」が制作品質を左右する構造に変わっています。AIは作業速度を上げてくれますが、「何を作るか」「誰に伝えるか」を人間が決め切らなければ、速さが均一なアウトプットを量産するだけになりかねません。
ツールを「自分で使いこなす」必要はありません。「どんなツールでどう作るか」の対話ができる程度の理解があれば十分です。たとえば「Figmaでプロトタイプを共有してから確認したい」と言えるだけで、制作会社との要件定義・品質確認の会話の解像度が変わります。「なんとなく良い感じで」で進める制作と、確認方法まで指定した制作では、手戻りの頻度が変わってきます。
ツールの概要を把握しているだけで、制作会社との要件定義の精度が上がります。
AIクリエイティブツールは、①プロトタイピング・UI設計系、②画像・コンテンツ生成系、③コーディング支援系の3カテゴリに大別できます。全ツールを使う必要はなく、自社の制作工程のどこをカバーしたいかに合わせて選ぶのが基本です。
Figmaは、Webサイト・Webサービスのデザイン制作に使われる最も一般的なツールです。無料プランから利用でき、制作会社との画面確認に活用しやすい点が特徴です。発注者がFigmaの閲覧権限だけ持っておくと、制作進行中の画面確認が「PDFを送ってもらう」から「URLを開いてリアルタイムで確認できる」に変わり、手戻りが減りやすくなります。
Figmaの閲覧権限を持つだけで、画面確認のやり取りが大幅にシンプルになります。発注者がまず始めるなら、「確認・コメント」の用途に絞って使い始めるのがコストを抑えやすい方法です。なお、Figmaのデザインデータを制作完了後に発注者側へ引き渡せるかどうかは、契約前に確認しておきましょう。
Framerは、コーディングなしでデザインからサイト公開まで完結できるツールで、高品質なランディングページや小規模サイトの構築に向いています。
OpenAIのChatGPTが持つ画像生成機能は、日本語プロンプトで高品質な画像を生成できるツールで、バナーや素材制作のたたき台として活用しやすいです。Midjourneyは写真・イラスト両方の高品質生成が得意で、世界的なAI画像生成ツールの一つとしてWeb制作の現場でも採用が進んでいます。各ツールの料金は変動があるため、利用前に公式サイトで最新のプランを確認することをおすすめします。
生成画像はそのまま商用利用できるケースと著作権確認が必要なケースが混在しています。生成画像の商用利用可否は、ツールごとの利用規約でかならず確認しましょう。「AIが作ったから著作権は問題ない」という誤解が起きやすい領域です。バナーや素材のたたき台として時間とコストを削りつつ、品質ゲートとして人間の確認を挟むという2点を両立させるのが活用の基本です。
GitHub Copilot(Microsoft)はエンジニアがコードを書く際にAIが補完・提案するツール、Claude Code(Anthropic)はコードの生成・編集から複数ファイルの横断作業まで自律的に担えるエージェント型ツールです。フロントエンド実装の反復作業にかかる時間が短縮でき、ボタン・フォームなどの汎用コンポーネント実装の工数を減らし、その分を設計・品質チェックに充てられるケースが増えています。GitHub Copilotは無料プランのほか月額$10〜の有料プランがあり(参考:GitHub Copilot公式)、Claude Codeは従量課金のAPIプランのほかサブスクリプションプランからも利用でき、各公式サイトで最新の料金を確認できます。
コーディング支援ツールを使っているかどうかだけで品質が決まるわけではありません。「どのAIコーディングツールをどの工程で使っているか」を発注前に制作会社に聞いてみましょう。あわせて、AI出力をレビューする体制があるかどうかも確認すると、技術水準をより正確に把握しやすくなります。
ツール選定に迷ったとき、以下の4軸で整理すると判断がしやすくなります。4軸全てでスコアが高いツールは存在しないため、自社の優先順位(コスト重視か日本語品質重視かなど)を先に決めてから選ぶ順番が重要です。
月額コストとスケール費用: Figmaは席数課金、Claude Codeは従量課金またはサブスクリプションというように、料金モデルはツールごとに異なります。「最大利用時の上限費用」を事前に試算しておくと、見積もりが想定外に膨らみにくくなります。
学習コスト: 担当者が実務で使えるようになるまでの時間目安を制作会社に確認しましょう。習得コストが高いツールは外注でカバーし、自社担当者は閲覧・確認のみに留める分業も有効な選択肢です。
日本語対応の充実度: UIの日本語化だけでなく、AI生成テキスト・画像プロンプトへの日本語対応品質もツールによって差があります。特にテキスト生成系は実際に試して品質を確認することをおすすめします。
ROI(投資対効果)試算の目安: 「削減工数(時間)× 人件費単価(円/時)」で月間の削減コストを試算し、ツールの月額費用と比べてみましょう。削減コストがツール費用を上回れば、費用対効果が合う計算です。AIを活用して複数ツールのシミュレーションをまとめると、比較がしやすくなります。
削減コストとツール費用を数字で比べてから判断しましょう。
AIクリエイティブツールを導入しても、進め方の設計がなければ効果が出にくくなります。発注者が押さえたい3つのステップを紹介します。
AIツールは「何を作りたいか」が明確でないと、生成・提案の品質が下がりやすくなります。まず人間側でゴールを言語化することが、制作品質を保つ前提条件です。KPIは「問い合わせ数」「資料ダウンロード数」など1〜2個に絞り、数字と期限をセットで定義しましょう。
AIに指示を渡す前に、ゴールとKPIを人間側で決め切ることが重要です。KPIを決めずにAIツールを使い始めると、見栄えが良いだけのアウトプットが量産されて効果測定ができなくなる可能性があります。新規プロダクトのプロトタイプを素早く検証したい場合も、同じステップが当てはまります。FigmaとAIコーディングツールを組み合わせることで、アイデアを動く画面として確認するまでの期間を大幅に短縮できます。
Web制作の工程(要件定義・ワイヤーフレーム・デザイン・コーディング・テスト)ごとに、「人間がやる箇所」と「AIが補助する箇所」を明示して分けることが重要です。たとえば、ワイヤーフレームのたたき台生成はAI・最終のUI判断は人間、コンポーネント実装の補完はAI・品質チェックは人間、という分け方が機能しやすいです。
工程を書き出しておくと、「全部AIに」「全部人間に」という偏りを防ぎ、制作会社との認識のずれも減らせます。AIを使って工程表のたたき台を作ると、整理がスムーズになることがあります。「人間がやる箇所」と「AIが補助する箇所」を工程表に書き出してから発注しましょう。ツール担当の設計を口頭だけで済ませると実装フェーズで認識がずれやすいため、制作会社と書面(仕様書・役割分担表など)で合意するようにしましょう。
AI生成物(画像・コード・コピー)は品質が一定でなく、誤りや著作権リスクが混入する可能性があります。人間によるチェックゲートを工程に組み込むことが重要です。チェックポイントの目安は「プロトタイプ確認」「デザイン完成版確認」「公開前最終確認」の3回で、各回で確認する観点(ブランド整合性・著作権・アクセシビリティなど)をリスト化しておくと管理しやすくなります。
AI生成物のチェックゲートは、工程の最初に設計しておきましょう。レビューポイントを後回しにすると、AI生成物がそのまま公開されるリスクが上がります。チェックリストを仕様書の一部として制作会社と共有しておくと、ルーティンとして定着しやすくなります。
AIクリエイティブツールの導入で失敗するケースの多くは、ツールの機能ではなく導入後の運用設計に問題があります。よくある3つのパターンと対策を確認しておきましょう。
ツール契約後に「誰が・どの工程で・どのように使うか」を決めないまま運用を始めると、数週間で使われなくなるケースが多く見られます。ツール導入を決めた人と実際に使う担当者が異なると、現場への押しつけになって止まりやすくなるため注意が必要です。
まず1プロジェクトでパイロット運用し、使い方を定着させてから横展開しましょう。「全員で一斉に使い始める」より「1プロジェクトで実績を積んでから横展開する」という順番のほうが、現場の負担を分散できます。
AI生成画像・テキストの商用利用可否はツールの利用規約ごとに異なります。また、学習データの素材由来に関するリスクについて国内外で議論が進んでいます。「著作権は後でまとめて確認する」という判断は、公開後に修正・差し替えコストが発生するリスクを高めます。
文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月)の整理によると、日本ではAIが自律的に生成した物への著作権保護は原則認められない一方、プロンプトの工夫や選択など人間の創作的関与が認められる場合は著作権が発生し得ます。また、第三者の著作物に依拠した生成物は著作権侵害になる可能性があります。「AIが作ったから安全」という前提は持たないようにしましょう。「商用利用できるか」を制作開始前に制作会社へ確認するフローを組み込みましょう。
参考:文化庁「AIと著作権に関する考え方について」2024年3月https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf
AIは「良さそうなデザイン」を生成できても、自社のブランドカラー・フォント・トーンを自動的に守ってはくれません。ガイドラインがない状態で複数のAIツールを使うと、ページごとにデザインの雰囲気が異なるサイトになりやすくなります。
ガイドラインは大規模な文書を用意する必要はありません。最低限カラーコード・メインフォント・ロゴの使い方の3点を文書化するだけで、AIへのプロンプトや制作会社への指示書の精度が上がります。ブランドガイドラインを整備してからAIツールを使うと、デザインの一貫性が保ちやすくなります。
AIクリエイティブツールの普及により、「自社でできること」の範囲は広がりました。ただし、AIがあれば全部内製できるわけではなく、判断を誤ると設計品質のリスクが上がります。
バナー・SNS素材・LP(ランディングページ)の定期更新など反復性が高い軽作業は、AIクリエイティブツールで内製できるコストメリットが出やすい領域です。一方、コーポレートサイト全体のリニューアルや情報設計・UX設計が絡む大規模案件は、経験と設計力が必要なため外注でカバーするほうが品質リスクを下げやすいこともあります。
作業の反復性と専門性の必要度を軸に、内製か外注かを判断しましょう。「作業の反復性」「コンテキスト依存度」「必要な専門性」の3点で整理すると決めやすくなります。内製・外注の切り分けから方向性を整理するには、第三者との壁打ちが判断を早める近道になることがあります。
制作会社を「AIを使っているかどうか」で選別するための質問ではなく、制作の進め方や品質管理の考え方をすり合わせるきっかけとして、以下の3つが役立ちます。特定のツール名を挙げられるかどうかそのものが、発注先を決める基準になるわけではない点には注意してください。
「AIツールをどの工程で、どんな考え方で使っていますか?」 — ツール名だけでなく、どの工程を人が最終判断しているかが分かると、制作の進め方の解像度が上がります。
「AI生成物の著作権確認フローはどうなっていますか?」 — リスク管理への意識と実際の運用体制を確認できます。
「プロトタイプや進捗共有はどのツールで行いますか?」 — FigmaなどのURL共有フローが整備されているかどうかが、発注後の確認効率に影響します。
大事なのは特定のツールを使っているかどうかではなく、AIをどう使い、どこで人がチェックしているかという考え方です。この観点で会話すると、AI活用が形だけになっていないかを見極めやすくなります。
内製か外注かの方向性整理から、AIを活用するWeb制作会社の選び方まで、判断に迷う場合は、ぜひRabeeにご相談ください。
AIツール時代の制作会社選びでお悩みなら、まずはRabeeにご相談ください
お問い合わせはこちらAIクリエイティブツールとは、デザイン・画像生成・サイト構築などの制作工程をAIで補助するソフトウェア・サービスの総称です。プロトタイピング系・画像生成系・コーディング支援系の3カテゴリに大別できます。
全機能を使いこなす必要はありません。制作会社との対話・品質確認ができる程度の理解があれば十分です。まずFigmaの閲覧・コメント機能だけ使えるようになるところから始めるのも一案です。
無料プランのあるFigmaで制作会社との共有フローを整備し、次に画像生成系を小さく試す順番がコストを抑えやすいです。すべてのツールを一度に導入する必要はありません。
RabeeはAI時代のプロダクト開発・Web制作に強みをもつWeb開発会社です。クリエイティブツールの選定から体制設計まで、最初の構想の壁打ちからともに考えます。ぜひRabeeにご相談ください。
まずはRabeeにご相談ください
お問い合わせはこちらほかの記事も見る
資料ダウンロードへ
資料ダウンロードへ
